『幼なじみ』
第29章 談合
そして・・・
漸く・・・
思考能力が
回復の兆しを見せ・・・
抜けていた腰も・・・
先程の・・・
突然の兄貴の怒号に
刺激されたのか・・・
思いがけない荒療治で・・・
スッカリ元に戻った
拓弥は・・・
両手でパンパンッと・・・
自分の両頬を
叩きながら・・・
今一度・・・
気合いを入れ直し・・・
メンチを切り過ぎて
充血しまくりの・・・
春斗の兄貴の目を見据え・・・
静かに・・・
自分の思いの丈を
口にする・・・。
「兄さん・・・
俺・・・
落とし前ツケると
言ったからには・・・
喜多見さん潰すまで・・・
死に物狂いで
ヤりますんで・・・
ご協力・・・
宜しくお願いします・・・!
それと春斗・・・
色々・・・有難うな・・・
もう・・・腹決めたし・・・
パーティーで・・・
喜多見をギャフンと
言わせてみせっから・・・
これからも・・・
力貸してくれよ・・・
よろしくな・・・」
頭を下げ・・・
テーブルを見つめたまま・・・
哀願する拓弥に・・・
春斗の兄貴が・・・
人を嘲笑うかのような・・・
冷ややかな笑みを
浮かべながら喋り出す・・・。
「これで・・・
決まりだなァ・・・?
まァ・・・拓弥・・・
全て上手くイッたら・・・
幹部総出で・・・
祝盃あげてやるよ・・・
ハハ・・・
んじゃァ・・・
とりあえず・・・
3時に屋上行って・・・
喜多見に物(ブツ)渡して・・・
喜多見主催の
パーティーとやらの・・・
詳細・・・聞いて来いや・・・。」
間もなく・・・
午前3時を
指そうとしている・・・
個室の掛け時計を
見つめながら・・・
拓弥は・・・
激しい武者震いに
身を投じていた・・・。