テキストサイズ

『幼なじみ』

第30章  目撃



「あのッ・・・!
スミマセンッ・・・!


その・・・
泣いてた女の子って・・・


金髪で・・・
日焼けしてて・・・


アルバローザの
ワンピ着てましたかッ・・・?


それで・・・えっと・・・


何処に行ったか・・・
分かりますかッ・・・?!」


ただならぬ勢いで・・・
質問をぶつけると・・・


そのカップルは・・・
度肝を抜かれた様子で・・・


目を丸くしながら
顔を見合せていたが・・・


真剣な面持ちのまま・・・
心を見透かすように
見つめ続ける
あたしに観念したのか・・・


カップルの男の方が・・・


小刻みに・・・
瞬きを繰り返しながら・・・
慌てて喋り出す・・・。


「アッ・・・えっーと・・・


泣いてた女の子・・・
だよね・・・?


ワ・・・ワンピまでは・・・
覚えてないって言うか・・・


見てないんだけど・・・


そう・・・確か・・・
金髪で・・・色黒で・・・


派手な感じだったかな・・・。


で・・・


飛び出して来た後は・・・


えーっと・・・


階段に向かって・・・
走ってったと思うよ・・・?」


普通に・・・
感じの良さそうな
その男から・・・


重要な手掛かりを
入手したあたしは・・・


真っ先に頭を下げ・・・
お礼を述べる・・・。


「あッ・・・
有難うございましたッ!


もしまた・・・
その女の子見掛けたら・・・


【悠希】が探してるから
此処に居るように。って・・・
伝えて下さいッ・・・!」


藁をも掴む思いで
勢い良く頭を上げた
あたしは・・・


カップルにサッと
背を向けると・・・


すぐさま・・・
通路突き当たりの
下のフロアへ続く
階段へと・・・


小走りに
向かって行った・・・。















ストーリーメニュー

TOPTOPへ