『幼なじみ』
第32章 暗転
そして・・・
三人で・・・
ビール瓶の
飲み口を軽く合わせ・・・
乾杯を済ませた後・・・
緊張の連続で・・・
喉の渇きが止まらない
あたしは・・・
サウナ上がりの
オヤジの如く・・・
ライムの入った
手持ちの
コロナビールを・・・
脇目も振らず・・・
一気に飲み干して行く・・・。
ゴクッ・・・ゴクッ・・・ゴクッ・・・
プッ・・・ハァァ・・・
そんな・・・
飲みップリの
良いあたしを・・・
マジマジと・・・
見つめながら・・・
美味しそうに・・・
ひと口ビールをすすった
喜多見が・・・
明るく声を掛けてくる・・・。
「うわ~
悠希ちゃん・・・!
余程・・・喉・・・
渇いてたんだね・・・?
飲み方が半端なく
男前じゃない・・・!
アハハ・・・
アッ・・・
ところでさ・・・
突然なんだけど・・・
その・・・
幼なじみとの馴れ初め・・・
聞いてみたいなぁ・・・
駄目・・・?
アッ・・・俺さ・・・
実は・・・
人の恋愛話・・・
聞くの好きなんだよね!
じゃぁ・・・まず・・・
良かったらさ・・・
こんなに可愛い・・・
悠希ちゃんと・・・
その幼なじみ君の地元・・・
何処か・・・
教えてよ・・・!」
澄んだ目を・・・
キラキラと
輝かせながら・・・
興味津々とばかりに・・・
おどけて見せる・・・
喜多見に対し・・・
あたしは・・・
急な質問に
戸惑いながらも・・・
酔いが一気に
回った為か・・・
何の疑いも持たぬまま・・・
おもむろに・・・
淡々と答え始めた・・・。