『幼なじみ』
第32章 暗転
すると・・・突然・・・
ビールを
ふてぶてしく
口にしながら・・・
あたしたちの話を
聞いていた美波が・・・
もの凄い勢いで・・・
間を割って入って来る・・・。
「ん・・・もうッ!
喜多見さぁん!
悠希に興味・・・
持たないでよぉ・・・!
別に・・・
悠希の地元なんて・・・
どうだって良いじゃん・・・?
もっと・・・
違う話しよーよぉ・・・」
喜多見の・・・
ボタンダウンの袖を・・・
甘えるように掴む
美波の台詞に・・・
ハッとし・・・
急に明るい表情を
浮かべた喜多見が・・・
子供をあやす口調で
静かに喋り出す・・・。
「わかったよ・・・
美波ちゃん・・・。
じゃぁ・・・
話変えるね・・・?
さっきさ・・・
美波ちゃんには・・・
話したんだけど・・・
今度・・・
俺のマンションで・・・
業界人を集めた・・・
パーティーを
開くんだよ・・・
でね・・・?
実は・・・
そのパーティー・・・
彼氏が居ない女の子しか
参加出来ない
パーティーなんだ・・・。
だから・・・
悠希ちゃんは・・・
その・・・
申し訳ないんだけど・・・
幼なじみの
彼が居るから・・・
参加・・・
出来ないんだよね・・・。
ごめんね・・・?
でも・・・美波ちゃんは・・・
俺の事・・・
浮気しないように
見張りたいって
言ってるから・・・
参加してもらうね・・・?
悠希ちゃん・・・!
良いよねッ?!」
グイグイと・・・
押し切ってくる・・・
半ば強引な・・・
喜多見の台詞に・・・
あたしは・・・
とかく・・・
考える余裕もなく・・・
只・・・
静かに頷いていた・・・。