『幼なじみ』
第33章 救済
「そ・・・そんなッ・・・!
急に・・・どうしたのッ?!
み・・・美波・・・?
拓弥に・・・
何か・・・言われたの・・・?
お願いだから・・・
話・・・聞かせてッ・・・?!」
普段よりも・・・
酔いが・・・
回っているとはいえ・・・
友達を止めるとまで・・・
宣言する美波の・・・
追い詰められた・・・
痛々しい気持ちが・・・
一気に押し寄せ・・・
あたしの胸を・・・
豪快に・・・
掻きムシって行く・・・。
が・・・しかし・・・
そんなあたしを・・・
完全に・・・
見放したのであろう・・・
徐々に・・・
あたしと・・・
距離を取りながら・・・
視線すらも・・・
合わせなくなった
美波が・・・
涙を激しく手で拭い・・・
勢いもそのままに・・・
畳み掛けて来る・・・。
「た・・・
拓弥君のセイに・・・
してんなよッ・・・!!
あたし・・・
あんたたち・・・
二人から離れた後・・・
悠希が・・・
すぐ迎えに
来てくれるって・・・
信じて・・・
VIPの人混みに紛れて・・・
二人の様子・・・
見てたんだよ・・・
そしたら・・・
迎えに来るどころか・・・
あんた・・・拓弥君と・・・
抱き合ってたじゃんッ!!
馬鹿にすんのも・・・
いい加減にしなよッ・・・!!
もう金輪際・・・
あたしの前に・・・
姿・・・見せんなッ・・・!!」
周りの群衆が・・・
にわかに・・・
ざわつき始める中・・・
成り振り構わず・・・
捨て台詞を吐いた
美波は・・・
とうとう・・・
力尽きたのか・・・
その場に・・・
フラフラと・・・
しゃがみ込んでしまった・・・。