『幼なじみ』
第33章 救済
「ねぇねぇ・・・
もしも~し・・・
オ~イ・・・大丈夫~?
どしたのぉ・・・?
喧嘩でもしちゃったぁ・・・?
今さぁ・・・
人とハグレちゃって・・・
たまたま・・・
通りかかったら・・・
女の子の・・・
ワメき声が聞こえて・・・
様子・・・
見に来たんだけどぉ・・・
アッ・・・つか・・・
放っておいて
欲しかったら・・・
仕方ないし・・・
消えるよぉ・・・?
どうしたい・・・?」
天からの・・・
救世主かもしれない・・・
可愛くも
艶のある女の声が・・・
漸く耳に届いた
あたしは・・・
藁にもすがる思いで・・・
泣きっ面の顔を・・・
勢い良く上げてみる・・・。
が・・・しかし・・・
その女の顔を・・・
頭が認識した途端・・・
驚きの余り・・・
身体中の全細胞が・・・
固まってしまい・・・
口に出そうとした・・・
言葉の断片すら・・・
一瞬にして・・・
忘却の彼方へ
消え去って行く・・・。
「何~?
どうかしたぁ・・・?
ん・・・?
どこかで・・・
会ったことあるっけ・・・?
アタシ・・・
梨香って・・・
いうんだけど・・・
初対面だよねぇ・・・?
アッ・・・そうだ・・・
コレで・・・涙・・・
拭いて良いよ・・・?」
前屈みになり・・・
あたしの顔を
覗きこみながら・・・
ニッコリと・・・
綺麗な歯並びで・・・
笑いかけてくる・・・
とてつもなく・・・
目鼻立ちの整った・・・
リカと名乗る
その美人な女は・・・
動揺を隠しきれず
目を丸くしたままの
あたしに・・・
細くて長い・・・
真っ白な手に持った・・・
綺麗なハンカチを・・・
ゆっくりと・・・
目の前に・・・
差し出して来た・・・。