テキストサイズ

『幼なじみ』

第33章  救済



『リ・・・リカって・・・


さっき・・・


東京連合の
パーティーが・・・
開かれる部屋に・・・


地味な女の子達を・・・


無理矢理・・・
詰め込んで・・・


自分だけ・・・
居なくなった・・・


女(ひと)だよ・・・ね・・・?』


度肝を抜かれた
表情のまま・・・
瞬き一つしない
あたしに・・・


まさか・・・
先程の怪しい行動を・・・
見られていたとは・・・


夢にも思って
いないであろう・・・


この凄まじく・・・
美しい女が・・・


ハンカチを・・・
差し出したまま・・・


今度は・・・
あたしの真向かいに
しゃがみ込み・・・


更に優しく・・・
話し掛けて来る・・・。


「ねぇ・・・


ツライのは・・・
分かるけどさぁ・・・


女の子が一人で・・・
座ってても危ないし・・・




とりあえず・・・
立とうよ・・・ね・・・?」


あたしは・・・


とかく・・・
勘繰っている
気持ちを・・・
悟られないよう・・・


その場しのぎに・・・
作り笑顔を
浮かべてみるが・・・


しかし・・・


大好きな美波に・・・
絶縁宣言をされ・・・


仲たがいの・・・
原因でもある
拓弥とも
縁を切ろうかと・・・


切ない想いが
膨らみ掛けた今・・・


大切な友人を・・・
同時に二人・・・
無くしてしまう
かもしれない・・・


そんな・・・
強烈な孤独感に・・・
いたたまれなくなった
あたしは・・・


とうとう・・・


リカという・・・
危険な匂いのする
謎めいた女の・・・


血管が透き通る・・・
真っ白な手首を
ゆっくり掴むと・・・


重くなった体を・・・
静かに・・・
委ねて行った・・・。














ストーリーメニュー

TOPTOPへ