『幼なじみ』
第34章 迷走
『だ・・・誰も・・・
居ない・・・みたい・・・
だな・・・
アッ・・・確か・・・
この通路の・・・
真ん中に・・・
クラブの事務所が・・・
あるんだよな・・・
今此処で・・・
誰かに出くわしても・・・
面倒くせーから・・・
気ィ引き締めて
行かねーと・・・』
金色の重たい扉を・・・
音を立てないよう
そっと閉め・・・
通路の先を・・・
真っ直ぐ・・・
見据えながら・・・
拓弥は・・・ふと・・・
全てが・・・
デジャブだと・・・
感じる程の・・・
さっきと・・・
何ら変わらない・・・
自分の行動と・・・
通路内の景色を・・・
思い出し・・・
呆気に取られ・・・
あたかも・・・
心の中で・・・
失笑してしまう・・・。
『ククッ・・・
なんか・・・俺・・・
今日一日・・・
同じようなコト・・・
繰り返して・・・
一体・・・
何やってんだ・・・?
クククッ・・・
何だか・・・情けなくて・・・
笑いが・・・
止まんねーわ・・・
アハ・・・
アハハハハ・・・』
長い間・・・
身が持たない程の・・・
極度の緊張に・・・
晒されてしまった
セイなのだろう・・・
拓弥の脳から・・・
見えない圧力に・・・
押し潰されない為の・・・
アドレナリンが・・・
急激に・・・
大量放出され始め・・・
今まさに・・・
強烈な興奮作用に
冒されてしまった・・・
拓弥は・・・
訳も分からないまま・・・
完全な・・・
ナチュラルハイ状態に
陥って行った・・・。