
『幼なじみ』
第36章 冷徹
そんな・・・
めっぽう胡散臭い・・・
別人に・・・
なってしまった・・・
喜多見の様子を・・・
マジマジと・・・
凝視しながら・・・
拓弥は心の中で・・・
思いの丈をブチかます・・・。
『き・・・喜多見ッ・・・
やっと・・・
お出ましかよッ!
チキショーッ・・・
いくら・・・
天下の東京連合に・・・
名乗り・・・
挙げたからってよ・・・
昔・・・
可愛がってた・・・
地元の後輩の俺を・・・
こんな目に・・・
合わせるコト・・・
ねぇじゃんかよッ・・・!
ホント・・・
全く・・・意味が・・・
分かんねーよ・・・
クソッ・・・!
角材持った子供・・・
送り込んだ挙げ句・・・
あんなガラの悪い輩・・・
目一杯・・・
引き連れて・・・よ・・・
お・・・俺を・・・一体・・・
どうしたいんすかッ・・・?!』
いつ自分が・・・
袋叩きに遭っても
おかしくない・・・
この張り詰めた
状況下で・・・
ワナワナと・・・
動揺しながらも・・・
決死の覚悟で
腹をくくった拓弥は・・・
喜多見を・・・
憎しみたっぷりな
眼差しで睨み付け・・・
ボクシングの
ガードの構えを
上半身に施しつつ・・・
徐々に・・・
防御体制を・・・
整えて行く・・・。
すると・・・
そんな・・・
死に物狂いな拓弥を・・・
薄気味悪い・・・
したたかな笑みを
浮かべながら・・・
なぶるように
じっくり見定めていた
喜多見が・・・
今度は・・・
未だ角材を・・・
握り締めたまま・・・
たじろいでいる少年に・・・
ゆっくりと・・・
向き直ると・・・
突然・・・
ニヒルな表情を浮かべ・・・
喋り始めた・・・。
