『幼なじみ』
第37章 騙欺(へんぎ)
「喜多見・・・さん・・・
とりあえず・・・
話は・・・
分かったっすよ・・・
ただ・・・
この茶番・・・
一体・・・
何なんすか・・・?
俺・・・今日・・・
この屋上に来るまで・・・
本当・・・色々あって・・・
ぶっちゃけ・・・
このブツ・・・
調達すんのも・・・
スンゲー
大変だったんすよ・・・?
でも・・・
中学ん時・・・
マジ・・・
世話になった
喜多見さんに・・・
恩返ししたくて・・・
俺・・・
馬鹿みたいに・・・
めちゃめちゃ・・・
張り切って・・・
な・・・なのに・・・
あんなガラの悪い
子供使って・・・
脅して来てよォ・・・
あんた・・・
マジ・・・最低・・・だよ・・・
俺に・・・
感謝してる・・・だって・・・?!
へ・・・平気な顔して・・・
嘘八百・・・
並べてんじゃねーよッ・・・!
クソッ・・・
き・・・喜多見さん・・・?
ほんと・・・
どうしちゃったんすか・・・?
あの・・・
優しかった・・・
昔の喜多見さんは・・・
どこ・・・
行っちゃったんすかッ?!
なァ・・・
喜多見さんッ・・・
な・・・何とか・・・
言ってくれよッ・・・!!」
中学時代からは
全く想像もつかない・・・
悪魔に心を
売ってしまったかの
ような・・・
余りにも・・・
残酷に変化を遂げた
喜多見を目の前に・・・
怒りすら通り越し・・・
情けないやら・・・
悔しいやら・・・
止めどなく・・・
湧いて出て来る・・・
どうにもならない
切実な思いの丈を・・・
がむしゃらに・・・
吐き出してしまった
拓弥の目からは・・・
深い哀れみに
満ち溢れた・・・
一筋の冷たい涙が・・・
滴り落ちていた・・・。