『幼なじみ』
第37章 騙欺(へんぎ)
「なんか・・・俺・・・
ちょっと・・・
テンパっちゃった
みたいっスね・・・
まぁ・・・
ムキになっても・・・
埓開かないんで・・・
もう・・・
大人しくしてますわ・・・
つーか・・・
ぶっちゃけ・・・
このブツ・・・
喜多見さんに・・・
サッサと渡して・・・
俺も楽には・・・
なりたいんすよ・・・?
ただ・・・せめて・・・
このあと・・・
このブツ・・・
どうやって・・・
使うのか・・・
教えてくれても・・・
良くないっすか・・・?
実は・・・俺・・・
今夜の・・・
幹部さんの・・・
誕生日パーティーで・・・
このブツ・・・
盛大に使って・・・
東京連合の皆さんで・・・
楽しむんだとばかり・・・
思ってたんすよ・・・
でも・・・
どうやら・・・
違うみたいで・・・
約束通り・・・
ちゃんと調達して来た・・・
この俺が・・・
ブツの行く末を・・・
知る権利・・・
あるんじゃ・・・
ないっすかね・・・?」
頭を切り替え・・・
喜多見を
取り込もうと・・・
思い立った割には・・・
不器用な性格からか・・・
不覚にも・・・
煽るような口振りで
質問を・・・
投げ掛けてしまった・・・
まだまだ・・・
脇が甘い自分に・・・
強面をブラ下げる・・・
喜多見の手下たちが・・・
当たり前のように
スゴミを
利かせて来るが・・・
もう・・・
なるようにしか
ならないんだと・・・
諦め半分・・・
無理矢理にでも・・・
腹をくくった拓弥は・・・
薄気味悪く・・・
黙って話を
聞いていた・・・
喜多見の
澱みきった目を・・・
大胆にも・・・
真っ直ぐ・・・
見つめ返した・・・。