『幼なじみ』
第37章 騙欺(へんぎ)
すると・・・
先程とは
余りにも違う・・・
拓弥の小癪な態度に・・・
喜多見は一瞬・・・
雲行きの怪しい・・・
不穏な空気を
醸し出して来るが・・・
素人で・・・
名も知れていない
雑魚の拓弥と・・・
東京連合の
最高幹部である
春斗の兄貴が・・・
まさか・・・
自分を陥れる為の
タッグを・・・
裏で組んでいるとは・・・
夢にも思って
いないのだろう・・・
昔のヨシミからか・・・
不思議と・・・
優しげな笑顔を・・・
此方に投げ掛け・・・
善人のような
口振りで・・・
話し掛けて来る・・・。
「まぁな・・・?
拓弥の言い分も・・・
分からんでもないのよ・・・
確かに・・・
こんな大量で・・・
自分の指紋が・・・
ベッタリついたブツ・・・
何に使うか・・・
知りたくもなるわなァ・・・?
俺もさ・・・
そこまで・・・
ゴリゴリな
人間でもないしさ・・・
教えてやっても
構わないけどな・・・?
ただ・・・
この情報・・・
誰かに漏らしたら・・・
拓弥・・・お前・・・
どうなるか・・・
分かってんの・・・?
コンクリートに・・・
埋めちゃうよ・・・?
アハハ・・・」
理解あるフリを
見せたのも束の間・・・
結局は・・・
脅し文句を吐いた・・・
喜多見の・・・
ツンデレな態度に・・・
思考回路が・・・
悲鳴を上げ・・・
生コンの中で・・・
自分がもがき苦しむ・・・
そんな・・・
エグい妄想にまで
囚われそうになるが・・・
とにかく・・・
喜多見から・・・
何がなんでも・・・
パーティーの詳細を
聞き出すしか・・・
生き残る道は
無いんだと・・・
気持ちを・・・
奮い立たせた拓弥は・・・
キリッと・・・
前を見据えると・・・
再度喜多見に
詰め寄る覚悟を
心に決めた・・・。