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『幼なじみ』

第38章  混乱



『ッ・・・!!

そ・・・そうかッ・・・!!』


ハッとする・・・
拓弥の脳ミソが・・・


みるみる・・・
覇気を取り戻すさ中・・・


良いコトを
思い付いたと・・・
躍起になった拓弥は・・・


両足に力を入れ・・・
一気に
立ち上がると同時に・・・


思いもよらない
強気な台詞を
口にし始める・・・。


「喜多見・・・さん・・・






そーいや・・・


一番肝心なコト・・・


忘れてないっすか・・・?











そう・・・
金ですよ・・・金・・・!









このブツ・・・
調達するのに・・・


いくら掛かったと・・・
思ってんすか・・・?!







一ヶ月前・・・


渋谷のポーカー屋で
会った時・・・


俺にハッキリ・・・
言いましたよね・・・?


【金は上乗せしてやる】
って・・・。





つーことで・・・


ブツの金は勿論・・・


死に物狂いで
調達してきた
報酬ひっくるめて・・・


五十万・・・


今ここで・・・
耳揃えて・・・


払って・・・
貰えませんかね・・・?




そうじゃなきゃ・・・


このブツ・・・


渡す訳には・・・
いかないっすよ・・・」


鬼畜な喜多見と・・・
春斗の兄貴の間で・・・


強烈な板挟みを
喰らったまま・・・


自分だけが・・・
泣き寝入りするのは
不本意だとばかりに・・・


せめて・・・
貰えるモノくらいは
貰ってやろうと・・・


意気揚々と・・・
正当な金の話を
畳み掛けた拓弥は・・・


思いの外・・・
気分がスッとし・・・


清々しい表情で
颯爽と・・・
前を見据える・・・。


すると・・・


突然に・・・
忌々しい金の話を
吹っ掛けて来た・・・


こざかしい
拓弥の態度に・・・


一瞬・・・
ぶちギレそうになった
喜多見が・・・
睨みを利かせて来るが・・・


金の話に
動揺したと・・・
悟られたく
ないのであろう・・・


速やかに・・・
その場に
立ち止まると・・・


あたかも・・・
この空気を
面白がるように・・・


まんまと嘲笑った・・・。















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