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『幼なじみ』

第39章  安息



『ッ・・・・・・・・!!!』


目を見開き・・・
その場で固まる
拓弥に・・・


一気に・・・
震撼が駆け抜ける・・・。





なんと・・・
そこには・・・


先ほど・・・
散々長居した
埠頭に佇みながら・・・


波打つ・・・
東京湾をバックに・・・


まさに・・・
真剣そのものといった
表情で・・・


ルイ君が・・・
調達してくれた
マリファナを・・・


茶封筒から・・・
取り出している
自分の姿が・・・


まんまと・・・
写し出されていたのだ・・・!


『チ・・・チキショー・・・


撮られて・・・たのかよ・・・』


徐々に・・・
首をもたげる・・・
拓弥の心に・・・


凄まじい程の・・・
怒りと恐怖が・・・


みるみるうちに
沸き上がり・・・


狂ったように・・・
暴れたい衝動に
囚われて行く・・・。


が・・・しかし・・・


あと数枚・・・
残っている写真を・・・


見届けなければ・・・
全てが終わってしまう
と悟った拓弥は・・・


一旦・・・
気持ちを鎮めようと
深く息を吐き・・・


一枚目の写真を・・・
後ろに重ね・・・


黙々と・・・
次の写真に
目を通して行く・・・。


すると・・・
今度は・・・


透明なパケに入った
真っ白な覚醒剤を・・・
片手に乗せ・・・


緊張した面持ちで
グラム数を計っている
大馬鹿者の自分と・・・


その横で・・・
固唾を飲んで
見守っている
親友ルイ君の姿が・・・


残念なことに・・・


誰から見ても
顔が分かるほど・・・


ハッキリと・・・
焼き付いて
いるではないか・・・!


『フッ・・・


俺の・・・負け・・・だな・・・』


どう足掻いても
反論の余地はなく・・・


清々しい程に
惨敗を認めた拓弥は・・・


ゆっくりと
天を仰ぐと・・・


静かに目を閉じた・・・。
















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