『幼なじみ』
第39章 安息
そして・・・
半ば諦めたように・・・
そっと目を開け・・・
ゆっくりと・・・
二枚目の写真をめくり・・・
三枚目の写真を
目にした瞬間・・・
このクラブに
到着する前の・・・
自分の行動が・・・
走馬灯のように蘇り・・・
全てを・・・
理解した
拓弥の顔面から・・・
スーッと・・・
血の気が引いて行く・・・。
『あー・・・
なるほど・・・な・・・
俺が・・・あの時・・・
家の近くの
コンビニの前で・・・
怪しい人影・・・見つけて・・・
必死に・・・追い掛けて・・・
まんまと・・・
逃げられてよ・・・
あの・・・
青いバンに乗って
消えてった人影は・・・
やっぱり・・・
喜多見の・・・
手下だったって訳か・・・
で・・・
あの人影が・・・
抱えてた
怪しいモノは・・・
間違いなく・・・
カメラで・・・
ずっと・・・
俺とルイ君を尾行して・・・
盗撮・・・してたんだな・・・
つーか・・・
この写真も・・・
上手く撮れてるよな・・・?
俺とルイ君が・・・
仲良さげに・・・
コンビニから・・・
出てきた瞬間だもんな・・・?
二人とも・・・
笑顔・・・
振り撒いちゃってよ・・・
フッ・・・
でも・・・これで・・・
覚醒剤と一緒に
写真に収まってる・・・
俺とルイ君が・・・
赤の他人じゃない・・・
完全な証明に・・・
なっちまったな・・・
要するに・・・
俺が・・・もし・・・
サツに捕まったら・・・
ルイ君を・・・
知らないとは・・・
シラきれない訳で・・・
芋づる式に・・・
ルイ君も・・・
捕まっちまうって
オチ・・・かよ・・・
クソッ・・・
喜多見・・・
やってくれた・・・な・・・。』
強烈な・・・
怨恨(えんこん)の思いに
苛まれると同時に・・・
絶対に・・・
ルイ君だけは・・・
守るってやる!と・・・
熱い正義感に・・・
駆り立てられた拓弥は・・・
憎しみに
満ち溢れた形相で・・・
喜多見を・・・
睨み付けると・・・
手に持っている
三枚の写真を・・・
全力で握り潰した・・・。