『幼なじみ』
第39章 安息
すると・・・
まさに・・・
親の敵(かたき)を
取るかのような・・・
そんな怨念に・・・
徐々に包まれて行く
拓弥の姿を・・・
まんまと・・・
面白がるように・・・
薄ら笑いを
たたえながら・・・
見届けた喜多見が・・・
どうだ!参ったか!
と言わんばかりに・・・
小鼻を膨らませ・・・
強気に喋り出す・・・。
「拓弥~
写真さァ・・・
よーく・・・
撮れてんだろ・・・?
つーか・・・俺も・・・
こんな・・・薄汚ねー手口・・・
使いたくは・・・
ないんだけどな・・・?
サツが動くような・・・
ちと厄介な・・・
代物扱うからには・・・
こっちも・・・
面倒なリスク・・・
背負いたくない訳よ・・・
まぁ・・・だからって・・・
俺も穏便に・・・
済ませたいのは山々で・・・
その写真・・・
直ぐさま・・・
サツに・・・
突き出そうなんて・・・
考えてねーから・・・
安心しろって・・・!
アッ・・・そうそう・・・
こっちには・・・
ネガあるし・・・
その写真・・・
全部お前に・・・
くれてやるから・・・
一緒に写ってる・・・
【ルイ】って奴にも・・・
ヨロシク・・・
言っとけよ・・・?
ハハハッ・・・』
ネガをネタに・・・
サラリと脅して来た
挙げ句・・・
ルイ君の存在を
絶対に知らないハズの
喜多見が・・・
早くも・・・
正体を調べ上げ・・・
これみよがしに
ルイ君の名前を・・・
口にした事実に・・・
ショックを隠しきれず・・・
喜多見の・・・
綿密に練られた
計画には・・・
もうどうやっても・・・
太刀打ち
出来ないのかと・・・
怒りを通り越し・・・
やりきれない思いに
打ちひしがられる・・・
拓弥に向かって・・・
いい加減・・・
観念しろと
言わんばかりの・・・
冷ややかな・・・
笑みを携えた喜多見が・・・
更に追い討ちを
掛けるように・・・
トドメを刺して来た・・・。