『幼なじみ』
第39章 安息
「さぁて・・・
拓弥~?
そろそろ・・・
夜も明けてきたし・・・
お遊びも・・・
ここまでだ・・・な・・・
ハァ~ア・・・
つーか・・・
しつけーよ・・・
いい加減・・・腹くくって・・・
ブツ渡せッ!!
ゴラァァ――ッ・・・!!」
流石に・・・
堪忍袋の尾も・・・
切れたのだろう・・・
感情剥き出しに・・・
最終勧告を済ませた
喜多見が・・・
遂に・・・
薬物に狙いを定め・・・
ジリジリと・・・
此方に近付いて来る・・・。
『い・・・いよいよ・・・かよ・・・
クソーッ!!
このブツ・・・
喜多見に・・・
渡したところでよ・・・
指紋の付いた
この薬物が・・・
存在する限り・・・
俺とルイ君は・・・
サツと・・・
東京連合の影に・・・
延々・・・
怯え続けなきゃ・・・
ならねーじゃねーかッ・・・!
どーすんだよ・・・
チキショーッ・・・』
二人の間に・・・
ドス黒い・・・
重圧な空気が渦巻く中・・・
まさに・・・
出口のない
トンネルのような
未来を想像した拓弥が・・・
悲嘆に暮れ・・・
もうお手上げだと
ばかりに・・・
全てを諦めかけた・・・
その瞬間・・・
自分は・・・ともかく・・・
あの可愛らしい
大好きな
親友のルイ君が・・・
東京連合に潰され・・・
更には泣きながら・・・
手錠を掛けられる・・・
そんな・・・
残酷過ぎる
リアルな映像が・・・
目の前をよぎり・・・
突如・・・
狂ったように・・・
激しく頭を抱えた
拓弥は・・・
ふいに・・・
この世の全てを
敵に回した・・・
テロリストさながらの・・・
残虐な人相を浮かべ・・・
体中を覆う・・・
全ての体毛までも
逆立てるかの如く・・・
圧倒的な【気】を・・・
全身に・・・
みなぎらせると・・・
突然・・・
誰にも予想出来ない・・・
あり得ない行動に
打って出た・・・。