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『幼なじみ』

第40章  悪夢



「ゆ・・・悠希ちゃん・・・?


大丈夫・・・?




あのさ・・・あたし・・・


この人と話あるから・・・


もう・・・行くね・・・?




とにかくさぁ・・・


ここは危ないから・・・
早く家に帰って・・・


また・・・
落ち着いたらで
良いから・・・


連絡してよ・・・ね・・・?






あ・・・あと・・・


今・・・


この人と梨香の会話・・・


聞いちゃった・・・よね・・・?




悪いんだけど・・・


誰にも・・・
言わないで・・・。


ごめんね・・・?」


突然真顔で・・・
口止めしてきた
梨香の態度に・・・


困惑しながらも・・・


きっと・・・
人には言えない
ただならぬ事情が
絡んでるんだ・・・と・・・


混乱している頭を
どうにか働かせ・・・
納得したあたしは・・・


春斗と梨香が・・・
闇雲に心配する・・・


その・・・
【タクヤ】という男が・・・


本当に【拓弥】なのか・・・


無性に・・・
聞きたい気持ちも・・・
仕方なく封印し・・・


空気の読める・・・
物分かりの良い女性を
演じながら・・・


コクリと無言で・・・
頷いて見せる・・・。


そんな・・・
あたしたちの様子を
傍観していた・・・


専属DJの春斗は・・・


逆に一般人の
あたしの顔を
知る由もない故・・・


ふいに・・・
目を見つめた
あたしに対し・・・


ただ・・・
当たり前のように
会釈するだけだ・・・。


すると・・・


この緊急事態を・・・
早く梨香に
説明したいのであろう・・・


パッと・・・
梨香の腕を取った
春斗が・・・


いきなり・・・
背を向けたかと思うと・・・


とうとう・・・
あたしには・・・


梨香と春斗が・・・
一体どんな関係なのか
考える隙すら・・・
与えないまま・・・


心配そうに・・・
あたしに手を振る
梨香を引き連れ・・・


アッと言う間に・・・


クラブの中へと・・・
消え去ってしまった・・・。













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