テキストサイズ

『幼なじみ』

第41章  慟哭(どうこく)



すると・・・


そんな見るから
興奮状態の
あたしに対し・・・


落ち着いて!
とばかりに・・・
眉をひそめた隊員が・・・


更に・・・
険しい表情を・・・
浮かべながら口を開く・・・。


「うーん・・・


まだ・・・
意識も無いですし・・・


現段階では・・・
何とも言えません・・・。



ただ幸いにも・・・


臓器損傷は・・・
免れているようです・・・




が・・・しかしですね・・・


頭部にも・・・
酷い裂傷があり・・・


もし・・・


脳内に・・・
損傷が及んでいた場合・・・


何かしらの・・・
後遺症が・・・
残るかもしれません・・・





アッ・・・あと・・・


今回・・・
傷害事件ですので・・・


警察の方が・・・


病院にも・・・
事情聴取に・・・
来ると思います・・・。


つきましては・・・


そちらの対応も・・・
宜しくお願いします・・・。」




『け・・・警察・・・?

それに・・・後遺症なんて・・・』


覚悟を決め・・・
救急車に
乗り込んだものの・・・


次々に・・・
残酷な現実を
突き付けられ・・・


頭が・・・
パニックに陥った
あたしは・・・


もう何も・・・
聞きたくないと
ばかりに・・・


両手のひらで・・・
両耳を押さえながら・・・


多種多様に・・・
処置の施された
その男の姿を・・・


ただ闇雲に
見つめるしか・・・
出来なくなって
しまうが・・・


そんなさ中・・・
もう一人の隊員が・・・


ストレッチャーに
横たわる男の耳元で・・・


「タクヤさーん・・・!


聞こえますかー?


もうすぐ・・・
病院着きますからねー」


と・・・
張り詰めた声で・・・
呼び掛けた矢先・・・


皆の必死の思いが・・・
届いたのだろう・・・


今まで・・・
微動だにしなかった・・・
その男の体が・・・


ピクリと・・・
反応したかと思うと・・・


ストレッチャーに
縛られている・・・
右腕の肘が・・・


ゆっくりと・・・
真上に折れ曲がった・・・。














ストーリーメニュー

TOPTOPへ