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『幼なじみ』

第43章  震撼



そして・・・
薄暗い廊下に佇み・・・


慎重に・・・
辺りを見回しながら・・・


拓弥が・・・
巻き込まれてしまった
見えない陰謀に・・・
立ち向かおうと・・・


気だるい体に
ムチ打ち・・・
意気込むさ中・・・


廊下突き当たりの
灰色の階段を・・・


慌ただしく・・・
駆け降りる
セキュリティの姿を・・・


まんまと・・・
見つけたあたしは・・・


目立たぬよう・・・
腰を屈め・・・
後を追い駆けて行く・・・。


すると・・・
誰かと連絡を取るのか・・・


あたしが音も立てず・・・


ジグザグな階段を・・・
滑るように・・・
駆け降りた矢先・・・


不穏な空気を
醸し出した
セキュリティが・・・


踊り場に設置された・・・
公衆電話の
受話器を持ちながら・・・


辺りをキョロキョロと
見渡しており・・・


咄嗟に足を止め・・・


階段の手すり越しから
顔面を半分・・・
覗かせたあたしは・・・


全神経を・・・
自分の耳に
集中させて行く・・・。



「アッ・・・もしもし・・・


俺です・・・




とりあえず・・・


上手くいきましたよ・・・?




サツですか・・・?


サツは多分・・・
俺の話・・・
信じてるみたいっスね・・・



さっきの指示通り・・・


全部タクヤに罪着せて・・・


あとは・・・
知らぬ存ぜぬで・・・
通しましたから・・・


安心して下さいよ・・・



ハイ・・・


大丈夫ですって・・・!


キタミさんの名前は・・・


死んでも・・・
サツに言ったり・・・
しないっスから・・・。




じゃぁ・・・これで・・・


約束通り・・・


この俺を・・・
東京連合に
入れてくれますよね・・・?



ハイ・・・


じゃもう・・・
ズラかるんで・・・


追って連絡します・・・」



『エッ・・・?


き・・・喜多見ッ・・・?!』


なんと・・・
此処でまさかの・・・


あの【喜多見】
かもしれない・・・
不審な名前を耳にし・・・


驚愕の余り・・・
体がワナワナと
小刻みに・・・
震え始めたあたしは・・・


自分の腰が・・・
抜けてしまう前に・・・


ドサッとその場に・・・
しゃがみこんだ・・・。



















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