
『幼なじみ』
第12章 陶酔
拓弥は・・・
コロコロと舌の上で
転がすように・・・
ゆっくりと・・・
エクスタシーを
唾液で
溶かして行く・・・。
すぐさま・・・
酸っぱいような・・・
しょっぱいような・・・
それでいて・・・
とてつもなく苦い・・・
世の中の何物にも
例えようのない味が・・・
口一杯に広がり・・・
相当・・・
体に悪そうな・・・
複雑怪奇な
激しい刺激が・・・
舌をビリビリと・・・
麻痺させて行く・・・。
「グハッ・・・!!
糞不味いじゃねーかよ!!」
完全に
気分を害した拓弥は・・・
吐き出したい衝動に
駆られ・・・
ベッドから飛び起き・・・
ダッシュで
洗面所に・・・
駆け寄ってみる・・・。
そして・・・
明かりを付け・・・
前屈みになり・・・
洗面所の鏡で
口の中を覗いて見ると・・・
かき氷の
ブルーハワイを・・・
全力で・・・
食べきった後のように・・・
舌全体が・・・
真っ青だった・・・。
しかし・・・
此処で吐き出したら
男が廃るとばかりに・・・
自分を奮い立たせ・・・
何とか体勢を保つと・・・
ジャーッと・・・
蛇口から・・・
大量の水を出し・・・
素早く両手で
掬いながら・・・
口に一気に流し込み・・・
そのまま
ゴックンと・・・
人生初の・・・
エクスタシーを・・・
勢いよく
飲み込んだ・・・。
