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『幼なじみ』

第13章  共有



シャワーを浴び・・・


頭から爪先まで
サッパリした
拓弥は・・・


ルイ君との
約束の時間まで・・・


数日後に
開催される・・・
クラブイベントの
一件を・・・


淡々と・・・
自分の部屋で
思い起こす・・・。


『今日・・・
【玉】食う前に・・・


物(ブツ)調達の
進み具合・・・


ルイ君に・・・
確認しないとな・・・』


刻々と・・・
出掛ける時間が・・・
近付く頃・・・


バタンッ!と・・・
ドアが閉まる
音と共に・・・


店に行く支度を・・・
するのであろう・・・


慌てた様子の
母親が・・・


パタパタと・・・
せわしなく・・・
帰って来た・・・。


「あッ!拓弥・・・!
ニ千円ね・・・!」


聞こえるように
大きな声を上げ・・・


リビングの・・・
テーブルの上に・・・


サッと・・・
金を置いた母親は・・・


それ以上・・・
拓弥に
関わることも無く・・・


そそくさと
自分の部屋へと
戻って行く・・・。


拓弥が・・・
少しドアを開け・・・


ひょっこり・・・
自分の部屋から
顔を出すと・・・


嗅ぎ慣れない・・・
甘ったるい
シャンプーの
残り香が・・・


鼻の奥を・・・
くすぐって来る・・・。


『また・・・
ラブホかよッ・・・!』


急速に・・・
イラついた拓弥は・・・


リビングへ
ツカツカ歩いて行き・・・


『たかが二千円で・・・


母親ヅラ・・・
すんじゃねーよ・・・!』


と・・・思わず・・・
叫びたくなったが・・・


母親が・・・
泣いている姿を・・・
散々・・・
見て来ているセイか・・・


強くは言えず・・・


此処は潔く・・・
二千円だけは
頂いて・・・


『今度は男に・・・
捨てられんなよ・・・』


と・・・
心の中で呟くと・・・


外へ飛び出し・・・


表参道の
ルイ君家へと
車を急発進させた・・・。

















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