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『幼なじみ』

第13章  共有



目黒の・・・
天現寺トンネルを
くぐった辺りで・・・


窓を全開し・・・
カーラジオを
付けてみると・・・


もう全盛期を過ぎた
テクノが・・・
ガンガン流れ出し・・・


そして・・・


広尾を過ぎ・・・
西麻布を
通過する頃には・・・


外国人の人口が
一気に増え・・・


早めにopenした
バーの前で・・・
英語がバンバン
飛び交かっていた・・・。


拓弥は・・・
そんな街の喧騒は
嫌いではないが・・・


今は然程・・・
気にもならず・・・


只・・・早く・・・
【玉】を食いたい・・・
と・・・


危険な衝動にだけ
駆られており・・・


夕暮れ時の・・・
キラキラした
表参道を走りながら・・・


ケラケラ笑う
ルイ君を・・・
頭に思い描く・・・。


ルイ君は・・・
金持ちのボンボンで・・・


世間知らずの
薬物中毒者だが・・・


あまり友達と呼べる
仲間が居ない拓弥は・・・


年上のくせに
子供っぽく・・・


優しくて気の弱い・・・
ルイ君の事が・・・


何だかんだ・・・
大好きで
仕方なかった・・・。


暫くして・・・
白い豪邸に
到着すると・・・


玄関先でルイ君が・・・
にこやかに
待っており・・・


ベンツにBMW・・・
アルファロメオに・・・
ポルシェまでが・・・


豪華に・・・
停められている・・・
広いガレージに
案内してもらう・・・。


そして・・・


空いている
スペースに・・・
ボルボを停めた拓弥に・・・


「先に夕飯・・・
一緒に食べよ~」


と・・・
ルイ君が明るく
声を掛けた瞬間・・・


拓弥は・・・
調子が狂うと同時に・・・


何故か・・・


少しだけ・・・
幸せな気分に・・・
包まれた・・・。















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