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『幼なじみ』

第13章  共有



「ルイ君・・・
俺やっぱ帰ります・・・!」


大切な部屋の鍵を
ルイ君に
握らせながら・・・


拓弥が突然呟く・・・。


余りにも・・・
急な拓弥の
心境の変化に・・・


全く付いて行けない
ルイ君は・・・


「拓弥ぁ・・・?
俺なんか・・・
悪い事したぁ・・・?」


と・・・
半分泣きそうな
顔になり
此方を見ている・・・。


「全然ッ!・・・つか俺・・・
美味しい料理食ったら・・・
なんか
満足しちゃったんすよ・・・


俺の我が儘で・・・
家に来さしてもらったのに・・・
スイマセン・・・


あ!ルイ君は
全然悪くないんで・・・


気にしないで
くださいよッ・・・!」


拓弥は・・・


『ルイをよろしく』


と母親からルイ君を
託されたとは
ひとことも言わず・・・


帰りたい
本当の理由を
自分の胸に仕舞い込む・・・。


「うん・・・分かったぁ・・・
拓弥・・・
また遊びに来てよ・・・?」


ガックリと
肩を落としたルイ君に・・・


「もちろん!」


と言わんばかりに
親指を立てて見せた
拓弥は・・・


『お母さん・・・
ルイ君の事
任せて下さいよ・・・


今回のイベが
成功したら・・・


きっとルイ君を
更正させてみせます・・・』


と・・・
沸き上がる正義感と
向き合いながら・・・


ルイ君の母親と
心の中で
指切りをした・・・。










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