夢で逢えたなら~後宮秘談~
第3章 結ばれる
憐れなことよ、親不孝な娘のせいで、年老いてから都を離れねばならぬとは。
崔尚宮の言葉の一つ一つが百花の心を切り裂き、抉る。
「それに、この私とて、ただでは済むまい。七つの歳から、我が娘同然に手塩にかけたそなたの裏切りで王宮から追放される羽目になるとは考えてもみなかったことだ」
現実には、崔尚宮には情らしい情をかけて貰ったことは一度もない。七つで入宮してからの百花は憶えねばならないことが数え切れないほどあった。宮廷のしきたり、礼儀作法、更には文字の読み書きを習い、かなり難しい書物でも難なく読みこなせるようになる必要があった。
崔尚宮の言葉の一つ一つが百花の心を切り裂き、抉る。
「それに、この私とて、ただでは済むまい。七つの歳から、我が娘同然に手塩にかけたそなたの裏切りで王宮から追放される羽目になるとは考えてもみなかったことだ」
現実には、崔尚宮には情らしい情をかけて貰ったことは一度もない。七つで入宮してからの百花は憶えねばならないことが数え切れないほどあった。宮廷のしきたり、礼儀作法、更には文字の読み書きを習い、かなり難しい書物でも難なく読みこなせるようになる必要があった。