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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

 そなたが殿下の御意を頑なに拒み通し、死を選べば、残されし者はどうなる? 例えば、そなたの実家の母は到底、罪は逃れられまいな。慈悲深き殿下のこと、もしや娘がお褥を辞退申し上げたからとて、その母までをも罪は問われはせぬかもしれない。さりとて、いかにお咎めがなかろうと、そなたの母はみすみす生きてはゆけまい。後宮に仕える女官でありながら、殿下の思し召しを拒んだと世間に知れれば、どのように白い眼で見られるやもしれぬ。死にまでせずとも、やはり漢(ハ)陽(ニヤン)では暮らしてゆけまいよ。人眼を忍び都落ちとなろう」

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