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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

―そんなやり方をしていたのでは、そなたが蜂に身体中刺されて死んでしまうぞ。
―どうせ、俺たち内侍や女官は使い捨てさ。死んじまえば、代わりなんか吐いて捨てるほどもいる。
 蜂の巣を取ってこいと崔尚宮に命じられたときの、内官たちの囁きが耳奥でこだまする。
 そう、崔尚宮にとって、自分は常に使い捨ての代わりのきく存在にすぎなかったはずだ。それを今になって実の娘同然に手塩をかけたとは、笑わせる話だ。

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