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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

 王は呟くと、百花の手から盃を取り上げ、代わりに自分が口に含んだ。何をするのかと見ていたら、いきなり背中に手が回され、グッと引き寄せられる。いきなりの展開に声も出せないで固まっていると、王の顔が近づいてきて、唇が重なった。ぴったりと唇を重ねられ、呼吸ができなくなってしまう。
 百花は息苦しさにもがき、喘ぐ。わずかに口を開いたその隙に、王の口から液体が流れ込んできた。
 灼けつくようなあの感覚が再び喉を通りすぎてゆく。その時、百花は自分が初めて口移しに酒を呑まされたのだと知った。

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