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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

 王は百花の唇を塞いだままの体勢でその場に押し倒した。
 唇が漸く離れ、ホッとしたのも束の間、今度は手が伸びてきて、百花の身体を夜着越しに撫で回そうとする。胸の膨らみを大きな手ですっぽりと包み込まれ、百花は思わず声を放った。
「い、いや―。触らないで」
 王の切れ長の双眸がスッと細められる。その瞳は怖ろしいほど冷えていた。
 百花は我に返り、狼狽えた。
「申し訳―ございません」

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