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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

 百花は依然として横たわったままだ。その顔の横に王が両手をつくと、完全に王の腕の中に閉じ込められた形になってしまう。
「気に入らぬ」
 その憮然としたひと言に、百花は蒼褪めた。
 ここで王の機嫌を損ねては、大変なことになる。
「お許し下さいませ、どうか、お許しを」
 とうとう堪えていた涙が溢れた。頬を流れ落ちる雫を指で掬い取り、王は深い息を吐き出す。
「一体、何を許すというのだ? やはり、予に抱かれるのは嫌だと申すのか?」

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