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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第3章 結ばれる

 大殿に慌てふためいて駆けつける途中、監察尚宮は崔尚宮に泣きつかれ、くどくどと事情を聞かされたのだ。
―殿下があれほど夢中になっておられる大切な愼尚宮に殿舎の掃除や洗濯などさせたと知れれば、私は殿下にどのようなお叱りを受けるか知れませぬ。
 打算的ではあるが気の小さな崔尚宮は怯えて、泣き出さんばかりであった。
 王は苦々しい想いで百花との初夜を思い出していた。

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