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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第4章 愛撫

「どうだ、素直に認めろ。予に抱かれるのは心地良いと申せ」
 毒の科白を囁くように、誘惑するかように、王が百花の耳許で繰り返す。腰を烈しく使いながら、王が百花の可愛らしい耳朶を舌で舐めた。
 それだけではや、百花の身体中の膚が総毛立つ。むろん、嫌悪からではない。認めたくはないけれど―、快感の漣が耳朶から、身体中にさざめくように走ってゆく。
 初めて抱かれた夜に感じたあの感覚―、未知の感覚がそも何だったのかを、百花は既に知っていた。

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