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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第4章 愛撫

「あの娘も身ごもれば、諦めて予の女になる覚悟も決まるであろう」
 酷薄そうに口角を引き上げるその横顔は、何とも陰惨な翳りに縁取られている。我が手でお育てした国王でありながら、この時、楊尚宮の背筋をヒヤリと冷たいものが走った。
―あの闊達で聡明であられた殿下がこのような表情をなさるとは。

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