夢で逢えたなら~後宮秘談~
第1章 恋の訪れ
人には天賦の才というものがあり、ふさわしい居場所がある。蛙が幾ら努力しても空は飛べず、逆に鳥が水中で泳ぐことはできないように、どれだけの努力を積み重ねても無理なことはあるのだ。それが、哀しいこの世の現実なのだ。それでも。
一生懸命に努力を続けたことは、夢を追い求めたことは、けして無駄ではないだろう、いや、少なくとも、そうなのだと百花は信じたい。
母が幼い彼女に本当に言いたかったのは、〝叶わない夢などない〟ということではなく、〝たとえ夢は叶わなかったとしても、夢のために積み重ねた努力はけして無駄ではない〟ということだったのではないか。
一生懸命に努力を続けたことは、夢を追い求めたことは、けして無駄ではないだろう、いや、少なくとも、そうなのだと百花は信じたい。
母が幼い彼女に本当に言いたかったのは、〝叶わない夢などない〟ということではなく、〝たとえ夢は叶わなかったとしても、夢のために積み重ねた努力はけして無駄ではない〟ということだったのではないか。