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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第5章 妖婦

「それがね」
 昌淑はいっそう声を落とし、唇を耳許に寄せた。
「金淑儀は既にお亡くなりになっているなんて噂も一部では流れてるの」
「まさか」
 百花が笑うと、昌淑は真顔で首を振った。
「それが、まさかでもないらしいの。噂の出所はどこだか判る?」
 百花が小首を傾げると、〝沈貴人に仕える女官よ〟と小声で囁いた。

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