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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第5章 妖婦

 百花は改めて自分の身体を眺めてみる。確かに昌淑の言葉どおり、チマの下のお腹は不自然なほど出ていた。
「変なことを訊くと思うだろうけど、許してね。百花、月のものが最後に来たのは、いつなの?」
 詰問されるような口調に、思わずたじろいでしまう。
「どうして、そんなことを訊くの? 幾ら昌淑でも話したくないわ―」
「それなら、この際、はっきりと言うわ。百花、あなたのこの膨らんだお腹には赤ちゃんがいるのよ」

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