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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第5章 妖婦

「あら、本当だ。今、確かに動いたわね」
 昌淑は満面の笑顔で幾度も頷いている。
 彼女はもう一度、今度は本物の赤ン坊を愛おしむかのような手つきで腹を撫で、真剣なまなざしを向ける。
「百花、この子は間違いなく天運を持っているわ」
「天運?」
「天から授かった運よ。つまり、多分、生まれてくる子は男の子で、将来は王さまになる可能性があるってこと」

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