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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

  鷺草~真実の愛~ 

 八月も半ばが近づいたその日は、朝から油照りの一日となった。 
 室でじっと座っているだけで、じっとり身体中に汗が噴き出て、衣服が濡れてしまう。
 百花は朝は洗濯、昼からは拭き掃除に余念がない。昌淑は流石にもう拭き掃除は止めた方が良いと止めたのだけれど、じっとしているのは百花の性に合わないし、突然、仕事を止めたりすれば、それこそ周囲に不審に思われないとも限らない。

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