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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

 何しろ、あの女官たちの畏怖の的提調尚宮が諫めても、耳を貸さなかった百花なのだ。
「沈貴人に変だと思われてしまったら、大変でしょ」
 その科白に、昌淑もやっと今までどおり仕事を続けるのを認めてくれた。
 昌淑は沈貴人を物凄く警戒している。あの女なら何をしでかすか判らないと、百花にも要注意を促しているほどなのだ。
 幸い、尚薬が処方した薬が効いたのか、あれほど酷かった悪阻も随分と軽くなり、治まりつつある。

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