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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

 あれは確か、初夜を迎えてひと月ほど経った夜のことだった。
―予は北園(ほくえん)のあの池のほとりが子どもの頃から気に入っておってな。よく楊尚宮の眼を盗んでは、お付きの内官を引き連れてあそこに遊びに行ったものだ。
 乳母であった楊尚宮は当時、まだ幼かった王に〝水辺は危ないゆえ、けしてお出かけになってはなりませぬ〟と厳しく言い渡していた。だが、少年の王は悪戯盛り、外を駆け回りたい盛りである。
 楊尚宮を出し抜いて北園の池辺に行く度、王は延々と説教を聞かされる羽目になった。

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