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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

これまでは殿下が昭儀さまにはお甘いゆえ、お好きにふるまわれてよろしかったのでしょうが、御子さまのお母君さまともなられれば、それなりのご体面というものがございます。ましてや、殿下の初めての御子、元子さまとならるるかもしれぬお子さまをお生みになる方がいつまでも下女のようにチマの裾をからげて拭き掃除をなさったりするのは言語同断にございますぞ」
 結局、王命を拒むのは許されなかった。
 百花はその後、昌淑の介添えで提調尚宮が持参したきらびやかな盛装に着替え、昭儀に任じられる儀式に臨んだ。

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