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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

 百花は唇を噛んだ。小さく胸を喘がせる。
 私もこの男が好き。
 けれど、子どもの頃からの夢もやはり諦めたくない。きっと、百花はとんでもなく欲張りなのだ。
 でも、同時に二つのものを手に入れることはできない。哀しいけれど、やはり、一つは諦めねばならないのだ。
 小さく息を吸い、百花はできれば言いたくない科白を口に乗せる。

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