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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

「予はそなたを側室にとどめておくつもりはない。いずれ、近い中には正式な妻になおすつもりだ。それゆえ、判っていると申したのだ」
「殿下! それはなりませぬ。私は身分賤しき身にて、実家は両班ですらないのです。そのような出自の者を中殿さま(チユンジヨンマーマ)になどなさっては、殿下のご体面に傷がつきます」
 百花が懸命に訴えるのに、王が破顔した。
「そのようなことであれば、心配は要らぬ。予は、そなたを伯父上の養女という格式で中殿に冊封するつもりだ。兵曹判書の娘であれば、中殿にしたとて、誰も文句は言えまい」

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