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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

 当代の国王殿下のご生母、仁香大妃さまは大変気さくなお方で、私のような一介の尚宮にまで親しくお声をかけて下さる。もっとも、私の叔母が大妃さまの女官時代からの親友だからということもあるのかもしれないけれど。
 私は子どもの頃から文章を書くのが好きなので、宮廷勤めの合間に自分が見たもの、聞いたことなどを備忘録のように書き留めておいた。いわば後宮女官の暮らしぶりを描いた日記のようなもので、他人に見せるような代物ではない。

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