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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

「巌尚宮さま」
 誰かが私を呼びにきたらしい。
「どうかしたの?」
 応えてやると、すぐに返事が返ってきた。
「大妃さまがお呼びでございます」
 この声は私が眼をかけている若い女官に違いない。
 少し休憩して、もう少し書き物をするつもりだったけれど、大妃さまのお呼びとあれば行かないわけにはゆかない。

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