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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第6章 鷺草~真実の愛~

 物語の題名は、このお言葉の辺りから考えてみては、どうだろうかと私は考えている。まずは、そのことを大妃さまに申し上げてみることにしようか。
「巌尚宮さま、そろそろお行きにならないと、監察尚宮さまがしびれを切らしてしまわれますよ~」
 若い女官が笑いながら言う声が聞こえてくる。いけない、こうしてはいられない。どうせ叔母もまた大妃さまのおん許に来て、よもやま話に夢中になっているに違いない。

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