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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第2章 揺れる、心

 あの若い王さまだって、所詮はそんな奴らと同じだ。いや、そんな奴らの頂点に突っ立って、更に尊大に威張りくさっている。
 だから、今日だって百花にあんな失礼なことを言ったのだ。いきなり人を愕かせて、そのせいで大切な洗濯物を落として汚してしまったというのに、ろくに詫びもせず、からかうどころか蔑むような声をかけてきた。
―あんな男、大嫌い!!
 百花はあまりの悔しさに声を殺して泣いている中に眠ってしまった。

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