夢で逢えたなら~後宮秘談~
第1章 恋の訪れ
その分、父を神か仏のように慕い崇める人は少なくはなかったが―、結局、父は人に騙されて死んだ。
ある日、ひょっこりと父を見知らぬ男が訪ねてきた。薄汚れたパジチョゴリに身を包み、同じように汚れた布を頭に巻いた中年の男は愕くことに三十四歳の父と同年だという。たった七つの子どもにすぎなかった百花の眼にも、その男はかなり胡乱に映った。
どう見ても三十代どころか、五十歳くらいに見えたのである。が、よくよく見れば、その男の膚には存外に艶があり、なるほど見た目よりは若いのだろうと思えた。
ある日、ひょっこりと父を見知らぬ男が訪ねてきた。薄汚れたパジチョゴリに身を包み、同じように汚れた布を頭に巻いた中年の男は愕くことに三十四歳の父と同年だという。たった七つの子どもにすぎなかった百花の眼にも、その男はかなり胡乱に映った。
どう見ても三十代どころか、五十歳くらいに見えたのである。が、よくよく見れば、その男の膚には存外に艶があり、なるほど見た目よりは若いのだろうと思えた。