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夢で逢えたなら~後宮秘談~

第2章 揺れる、心

 王の前でも臆せず堂々と我が意見を述べる娘、しかも、娘の言い分はすべて的を射ており、人としての筋道をきっちりとふまえたものであった―。
 王は今、眼から鱗が落ちた想いであった。出逢ったそのときから、何故か、この娘が気になってならなかった。
 後宮の女たちに囲まれ、機嫌を取り結ばれるのに慣れていた王の眼に、この型破りな娘はとても新鮮に映じたのだ。
 今のように冷ややかとも思えるほど落ち着き払った姿は老成しているが、昨日やたった今、王に目隠しされて真っ赤になっていた様は年齢相応の愛らしさに満ちており、思わず抱きしめてやりたくなるほどだった。

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