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　後宮の頂点に立つ要ともなるべき王妃がいないという極めて淋しい現王の後宮ではあるが、六人の側室は皆、錚々たる高官の息女たちだ。彼女たちの父は皆、娘聟たる王のために、またとない後ろ盾となってくれている。いわば、彼女たちは王と王室、朝廷と臣下を結ぶ美しき楔なのだ。
　宴には五人の側室たちが参加した。ただ一人、金(キム)淑(スウ)儀(ギ)だけは体調悪しく伏せっているため、姿が見えないが、後の五人は皆、それぞれが目一杯に趣向を凝らした装いでこの場に連なっている。